研究概要 |
1.デジタル画像相関法による変位計測システムの開発 (1)アルミ材を用いたき裂先端近傍の弾性変形解析において,16bitの画像とニュートンラフソン法を用いることにより,FEMとの変位量の誤差約0.03ピクセル,応力拡大係数の誤差約2%で評価することが可能となった. (2)SS41材を用いたき裂先端近傍の弾性変形解析において,ニュートンラフソン法の変形勾配を3次まで拡張することによりFEMとの変位量の誤差0.02ピクセル,応力拡大係数の誤差1%以内で評価することが可能となった. (3)平板試験片を用いた実験において,ニュートンラフソン法の変形勾配を2次まで拡張することによりひずみゲージとの誤差0.01ピクセル以下で変位を測定することが可能となった. 2.3次元局所ハイブリッド法の検討 3次元局所ハイブリッド法により,一様引張負荷を受ける表面き裂試験片では良好な結果が得られたが,今年度は,曲げ負荷に適用可能であるかを検討した. (1)一様引張負荷では高精度を得ていた逆問題解析手法だが,曲げ負荷では良い精度を得る事ができなかった.そこで,新たな方法を考案した. (2)局所モデルの板幅が大きい程,全体モデルとのJ積分値の相対誤差は減少する.また,板厚が大きい程相対誤差は増加する.これは一様荷重を与えた場合と同様である. (3)板厚と板幅を大きく取れば精度が向上するとは一概に言えない. (4)高い精度の解析が可能な局所モデルサイズを推定する近似式を提案した. 3.赤外線サーモグラフィによる応力場の逆問題熱伝導解析による検討 (1)熱伝導率の低い材料の解析については,熱伝導による測定誤差を考慮しなくても,高精度の応力解析が可能ある. (2)熱伝導を考慮した赤外線ハイブリッド法により,熱伝導率と板厚の異なる試験片の応力拡大係数を4%以内の誤差で評価できた. (3)非定常熱伝導逆解析により,赤外線主応力和画像に含まれる熱伝導誤差を取り除くことができた.
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