研究課題
基盤研究(C)
トラックのアルミホイールのリムフランジ部で発生する摩耗現象は、道路の凍結防止に使用されるCaCl_2の水溶液中で起こるアルミニウム合金とゴムとの腐食摩耗が原因であった。アルミニウム合金の成分元素の影響を調査した結果、粒界に含有するCu成分が選択的に粒界を腐食しており、ついでゴムとの繰返し摩擦により、アルミニウム合金腐食損傷部がはく離し、摩耗損傷を生じる。このプロセスが繰り返され、大きな摩耗損傷に至ると考えられる。アルミニウム合金に通常のアルマイト処理および潤滑アルマイト処理を施し、通常疲労強度およびフレッティング疲労強度を調べた。その結果、潤滑アルマイト処理により、フレッティング疲労強度はアルマイト材よりさらに向上した。これは、潤滑アルマイト皮膜が、通常のアルマイト皮膜に比べて割れにくく、より長期的にわたり、金属同士の接触を防止し、摩擦係数を低下させて、き裂の発生・伝ぱを遅延しているためであると思われる。以上のように、潤滑アルマイト処理は、アルミニウム合金の通常疲労強度を低下させることなく、フレッティング疲労強度を改善する有効な手段と考えられる。アルミニウム合金と鋼との締結部で発生するフレッティング疲労破壊は、特にバイク等のリアフレームに使用されるA7N01材に顕著に現れ、締付け面圧下で通常疲労強度の4分の1以下にまで低下した。この防止対策として種々のアルマイト処理、ウエットブラスト処理を施し、アルミニウム合金の表面硬化を行ったが、フレッティング疲労強度の向上は認められなかった。そこで固体潤滑剤を接触部に焼付けた結果、フレッティング疲労強度は飛躍的に向上した。耐フレッティング疲労のための最適な固体潤滑剤を作成するために、タグチメソッドの手法を用いて固体潤滑剤作成条件のパラメータ設計を行った。その結果、繰返し劣化および環境に強いロバストな表面被膜の作成条件を見出すことができた。
すべて 2006 その他
すべて 雑誌論文 (8件)
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日本機械学会M&M2006材料力学カンファレンス講演論文集
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