研究課題
基盤研究(C)
本研究では、「高速冷間塑性変形での変形形状予測」を実現するために、3つのフェーズにおいて実験と解析からのアプローチを試みた。フェーズ1.ミクロ組織内の炭素拡散の解析モデル構築一定温度下での時効進行を実験的に評価。フェライト-パーライト組織を対象に、新たな指標である"硬化率"を導入して時効進行を定量的に把握した。さらに、ミクロ組織のSEM画像をベースに、解析メッシュを生成し、時効進行を予測する解析ソフトを開発した。実験結果と比較検討した結果、従来の金属便覧などには掲載されていない"炭素の伝達係数"を定量的に算定することに成功した。フェーズ2.ミクロ組織内の炭素拡散を考慮した高速冷間加工での変形解析マクロスケールにおける(1)塑性変形と(2)加工発熱、時効進行を決定づけるミクロスケールにおける(3)炭素拡散を同時に求める総合解析モデルを構築した。まず、昇温・冷却過程での炭素拡散に関する仮定を新たに導入し、昇温・冷却過程での時効進行の解析を可能にするためフェーズ1にて開発した解析ソフトを拡張した。さらに、(1)塑性変形と(2)加工発熱を解くマクロ解析モデルと、(3)炭素拡散を解くミクロ解析モデルのデータ転送を可能とし、総合解析モデルを構築した。この総合解析モデルを用いた解析結果の例として、棒材の両端部の口を絞る高速圧造加工の解析を実施し、複数パスでは、炭素の拡散が充分に進行し、炭素拡散が変形形状に影響を及ぼすとの結果を得た。フェーズ3.画像処理によるデジタルマイスター構築解析の省略・簡略化を目的とし、ミクロ組織形態と解析によって求められる時効進行の関係を調査した。その結果、セメンタイトとフェライトの境界線長さが時効進行と最も強い相関関係を示した。さらに支配因子の特徴を参考に、ニューラルネットワークを利用して、実際のミクロ組織形態から時効進行の程度を予測するためのシステムを開発した。
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日本塑性加工学会 第61回伸線技術分科会研究会資料
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