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2004 年度 実績報告書

油膜付き水滴加工液によるマグネシウム製品のリサイクル生産の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16560095
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

中村 隆  名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (40135314)

研究分担者 糸魚川 文広  名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (20252306)
キーワードマグネシウム合金 / 切削加工 / 安全性 / リサイクル性 / 油膜付き水滴加工液 / ドリル加工 / タップ加工
研究概要

軽量で振動吸収性のあるマグネシウム合金は再資源化が容易なことから環境負荷提言の要求に応える材料として注目されているが,製品製造過程における安全性への懸念から利用量の伸びは芳しくない.本年度の研究では研究代表者が開発した油膜付き水滴加工液を使用し,マグネシウム合金を精密切削加工したときの水素発生量の測定,水素発生を抑制しつつ切り屑のリサイクル性を維持する油剤の開発,ドリル加工,タップ加工での加工特性を調べた.
まず,切削加工域の雰囲気を窒素濃度95%以上とすることで,不測の事態で切り屑が高温となった場合も爆発的な燃焼はしないことが明らかとなった.また,油膜付き水滴加工液の水滴に付着させる油剤は従来から植物油系のエステルを用いていたが,この物では水素発生抑制効果が低いことから,植物油(トリエステル)の分子構造の一部をマレイン化処理して反応性を持たせ,マグネシウム合金切り屑の表面を安定化することを試みた.マレイン化の程度が強い場合は,切り屑だけでなく製品までも変色することがわかり,植物油が持つ3つの脂肪酸のうち1つをエステル化することで,変色が無く,切り屑のリサイクルも可能で水素発生も抑止できる油剤が開発できた(特許申請中).
開発した油剤を使用し,ドリル加工,タップ加工に適用した所,従来から用いられているマグネシウム合金用のエマルション加工液と同等の加工力で加工が可能なことが確かめられた.ちなみに,従来の加工液では使用量が桁違いに多量であるだけでなく,切り屑は黒く変色しリサイクルは不可能となっていた.
以上より,新たに開発した油剤の油膜付き水滴加工液により,環境負荷が小さく安全でリサイクル性のよいマグネシウム合金切削加工の可能性が見出せた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Ecological-friendly Oil Film on Water Fog Metalworking Fluid2005

    • 著者名/発表者名
      Takashi NAKAMURA
    • 雑誌名

      Proceedings of 31th Leeds-Lyon Symposium on Tribology 未定

  • [雑誌論文] 油膜付水滴加工液を用いたマグネシウム合金加工システムの開発2004

    • 著者名/発表者名
      河田 圭一
    • 雑誌名

      精密工学会誌 70・4

      ページ: 573-577

  • [雑誌論文] Effects and Mechanisms in Minimal Quantity Lubrication Machining2004

    • 著者名/発表者名
      Fumihiro ITOIGAWA
    • 雑誌名

      Proceedings of 2nd International Conference on Tribology in Manufacturing Processes 2004 Vol.1

      ページ: 111-117

  • [産業財産権] 金属加工用油剤2005

    • 発明者名
      河田圭一, その他
    • 権利者名
      愛知県, その他
    • 産業財産権番号
      特許,特願 2005-69612
    • 出願年月日
      2005-03-11
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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