研究概要 |
申請者は平成16年度には研究室で従来より利用していたスピンドルの改良版を用いて,基本的な実験結果の評価を行うと共に,超音波振動加工時の加工特性と最近開発された超音波水(水粒子を加速した加工液)を用いたときの加工特性とを比較し,超音波加工の可能性を評価した.今年度に行った実験結果を記述すると以下のようになる. <高速加工への可能性評価> 1.工具外周部のダイヤモンド砥粒径と最速切断可能速度の関係,切断速度と切断抵抗の関係を実験的に検討した結果,工具表面のダイヤモンド砥粒径60μmの時,1mm厚の板ガラスを最大毎分4mの切断速度で加工できることが明らかとなった.また,振動切断時の切断抵抗は加工回数が増加しても,ほぼ一定値を示すことが明らかとなった. 2.切断速度とチッピングサイズの関係,切断速度と加工面性状(うねり,加工面粗さ等)の関係を実験的に検討した結果,超音波振動切断加工時のチッピングは無振動加工時より減少し,加工面性状も超音波振動加工時の方が向上していることが明らかとなった. 3.工具寿命の挙動を実験的に検討した結果,切断回数を重ねても切断抵抗がほとんど増加しないことから,ドレッシングの回数をかなり減らすことが可能であることを明らかとした. <超音波水との加工特性の比較> 1.超音波水供給装置一式を用いて,超音波加工に超音波水を用いた場合の加工特性の挙動を実験的に評価した結果,工具に超音波振動を負荷させた場合の方が振動効果(加工特性の向上効果)が大きい事が明らかとなった.
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