ダイヤモンドホイールの整形に広く用いられているトラバースツルーイングでは、砥石作業面に傾斜が形成されるという問題がある、この問題を解決する方法として斜行ツルーイング法を提案し、昨年度は主としてシミュレーションにより、その効果を確認した。本年度は、種々の条件のもとでツルーイング実験を行った結果、以下に示すように、斜行ツルーイングを行えば、作業面に傾斜を生じさせずにツルーイングできることを実証できた。 1.トラバースツルーイングでは、砥石作業面にツルーイング切込み深さとほぼ等しい傾斜が形成されるが、斜行ツルーイングでは、切込み深さの影響を受けることなく、ほぼ傾斜のない作業面が得られる。 2.ダイヤモンドホイールの作業面初期形状を種々変えてツルーイングした場合、トラバースツルーイングでは、初期形状に関係なく切込み深さにほぼ等しい傾斜が形成されるのに対して、斜行ツルーイングでは、どのような初期形状の場合もほぼ傾斜のない作業面が得られる。 3.今回の実験結果は、昨年度行ったシミュレーションによる作業面形状の予測結果とほぼ対応しており、開発したシミュレーションプログラムによりツルーイング後の作業面形状や必要なツルーイング代を予測可能である。
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