研究概要 |
1.市販のCAD、CAMソフトエアを使用した簡易多軸加工 既設の3次元CADおよび今回の科研費で購入した3次元CAMシステムを使用して簡易5軸加工実験を行った。 3次元CADによりインペラのモデリングを行った。このモデルを3次元CAMソフトで読み込み工具経路を生成し、NCプログラムを作成した。このNCプログラムを同時3軸制御マシニングセンタに転送し、アルミ合金を切削加工し、モデルと同等の完成品を得ることができた。使用した工具は、荒加工がR3ボールエンドミル、仕上げ加工がR1テーパーボールエンドミルであった。この実験の結果より、加工領域の限定、工具突き出し長さおよび割出角度決定の重要性を再認識でき、その決定方法を検討した。 2.工程設計データベースの構築 工具形状(スクエア、ボール、ラフィングなど)、工具材種(超硬、ハイス)、工具寸法(直径、突き出し長さ)、被削材(鋳鉄、炭素鋼)、切削条件(切込み、回転数、送り速度)を変化させて、実験を行い、単位時間当りの除去体積を求めた。この実験結果より、工具メーカカタログ記載の推奨加工条件の一部と大きく異なることが分かった。 3.自由曲面荒加工工程の効率化 曲面形状にフィットする共通接平面群を求める準備として加工面導出を行った。 その概要を以下に示す。 2軸回転テーブルの任意の割出角度ごとに、加工対象となる自由曲面の極値探索より凸部の位置(X,Y,Z座標)を求め、工具軸に垂直な平面と接触させることにより加工面を求める。その方法を以下に示す。 NURBS自由曲面の形状データより、表面を三角形分割しSTL形式データを作成する。そのデータを基にVOXEL分割数に応じたX、Y座標ごとに自由曲面上のZ座標を求める。任意の割出角度ごとに自由曲面上のZ座標と工具軸に垂直な平面との距離を求め、極値探索を行う。
|