研究概要 |
研削加工の仕上げ面の良否は,砥石作業面の砥粒分布・形状によって大きく左右される.そのことから,作業面の砥粒の分布・形状を定量的に把握する手法として砥石作業面の画像をパーソナルコンピュータに取り込み画像処理を行うことで計測する.今年度は,砥石メーカの協力により,特許出願(公開番号2004-042158)している画像処理が容易になる砥石構造を有する研削砥石を結合剤がメタルボンドの場合を想定して製作した.そして,画像処理による解析を行い,従来型構造のメタルボンド砥石と比較検討した.その結果,考案した砥石構造を有する研削砥石を用いた場合,砥粒とその他の部分での色度濃淡分布に顕著な差が見られ,正確に砥粒の抽出が可能で,砥粒の分布や砥粒形状を定量的に把握できることがわかった.なお,この画像解析に用いた画像を入手する装置として計測器(マイクロスコープ)を研究費補助金で購入した.また,解析ソフトはすべて開発した.これらの研究成果は,学術講演会(2回)で報告している.さらに,本年度の研究過程で,画像処理が容易になる砥石構造を本方式以外に,新たに考案したので特許出願を検討する. 今後の研究内容の方向性としては,平成16年度,結合剤がメタルボンドの場合で,考案した構造を有する砥石を製作したが,平成17年度は,結合剤がレジンボンドの場合を想定して試作を進める予定である.また,実際に研削加工を行い,その過程で,本構造を有する砥石の場合,研削に関与する砥粒切れ刃部を正確に抽出できることを明らかにする予定である.
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