研究概要 |
研究では,精密加工技術と医療技術を融合安価で高い信頼性を有する医療機器の開発を目指している.具体的には,赤上が提案している電界砥粒制御技術を用いた新たな加工技術を開発することである.絶縁性流体であるシリコーンオイルを溶媒に,分散粒子である砥粒を分散させた粒子分散型流体に,交流電界を与えると電界下の砥粒の配置コントロールが可能な技術である.本技術を用いることで、ガラス基板上に微細流路を創製することができる.すなわちフッ酸等の化学エッチングを用いる工法より工作機械で加工するよりも、より環境に優れた製造技術を得ることを目指した. 平成17年度は,加工創製装置の試作として,基本設計並び装置化を実施した.その概要を以下に示す. (加工装置の開発) (1)電界を供給する見かけ上の電極の一方は工具とした。その工具の回転は電界が供給可能なエアースピンドルを用いた.工具のz軸方法の位置出し操作にはサブミクロン精度を有するステージ(本事業で導入した装置)を配置し、その距離は砥粒の平均粒径長とした.(2)用いた工具の形状はロッド棒で長さ40mm、導電性を有し、かつ高硬度材として知られる直径3mmのタングステンカーバイト製超硬合金(WC製)とした.他方の電極は工作物の下に配置した.工具の配置は、中心における周速が期待出来ないこと,工具と工作物面が最短距離になるように,エアースピンドルは回転テーブルで工作物の対して傾斜確度をもたせて配置させた. (研究成果) (1)基本的な加工装置の開発:完了 (2)得られた実験装置にて,加工実験を実施した結果,マイクロ流路の創製 (3)工具先端に砥粒が集まり作用している様子を確認に成功した. (4)迅速加工が可能である。(5mm/10sec)
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