研究概要 |
多孔質ファインセラミックスを用いた静圧空気ガイドでは,気孔率,気孔の大きさや配置などをいかに制御するかが課題となる.本研究ではこれらを自在に制御可能な製法で作られた多孔質ファインセラミックスを用い,高剛性かつ高機能の静圧空気ガイドを開発することを目的とする.このため,多孔質ファインセラミックスを用いた静圧空気ガイドの剛性を実験で明らかにする.加えて,絞り効果を高め高剛性化を図るとともにファインセラミックス表面の2次元的な気孔の最適な大きさや配置を明らかにする. 本年度は,静圧空気ガイドの剛性に及ぼす多孔質ファインセラミックス表面の気孔の大きさや配置の影響を明らかにすることに主眼を置いた.多孔質ファインセラミックスを用いた静圧空気ガイドの剛性の評価は,静圧空気ガイドに負荷した荷重,供給空気の圧力およびガイドの浮上量から行った.多孔質ファインセラミックス表面の気孔の解析は,レーザー顕微鏡を用いて取得した多孔質ファインセラミックス表面の高さデータを画像解析の手法を用いて行った.これらの実験・解析結果から静圧空気ガイドの剛性と多孔質ファインセラミックス表面の気孔の大きさやその分布との関係を明らかにした.また,高剛性および接触時のトライボ性能を付与するため多孔質ファインセラミックス表面に表面改質を施し,先に示した方法により表面改質前後の気孔の大きさの変化の解析ならびに剛性の測定を行った.得られた結果は以下の通りである.(1)本試験で用いた多孔質セラミックスを用いた場合,約0.4の無次元静剛性を得ることができ,静圧空気ガイドに適用可能であることがわかった.(2)多孔質部に無電解めっきを施すことで流量を1/10以下に絞ることができ,最大無次元静剛性が得られる隙間を約1/3にできた.高剛性化への対応方法として,めっきの有効性が確認できた.
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