研究課題/領域番号 |
16560126
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
中里 裕一 日本工業大学, 工学部, 助教授 (90265372)
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研究分担者 |
宮沢 肇 日本工業大学, 工学部, 教授 (70049716)
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キーワード | マイクロマニピュレータ / 寸法効果 / 表面力 / マイクロメカニズム / 把持機構 / 接着 / マイクロ加工 / 表面張力 |
研究概要 |
現在、フォトファブリケーションなどのIC技術を用いて、μm単位の部品加工が可能になり、シリコン基板上に微小な歯車や軸を作製することができるようになっている。それらの観察技術としては、光学顕微鏡を始め、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子力顕微鏡(AFM)などがある。しかし、10μm〜100μm程度まででは、観察技術はあるが、ハンドリング技術に関して完全に確立していない把持不能領域であると言われている。そのため、上記のサイズをハンドリングするマニピュレータ(マイクロマニピュレータ)が必要となる。そして、そのマニピュレータを用いてハンドリングし、マイクロメカニズムを組み立てる際、微小パーツをはめあいで組み立てようとするならば、パーツの寸法公差の許容値を非常に小さくしなければならず、現実的ではない。マイクロ部材の接合には、寸法効果により、接着による接合で十分であると考え、接着剤で微小パーツを固定する方法を検討した。特に、接着剤の液滴の形状を球状と仮定して、直径が1.2μm、fl(1×10-15)単位の吐出可能にするシステムの開発を目指した。 研究にあたってのいくつかの調査で、吐出装置の先端部分が非常に重要であることが判明したため、平成16年度は吐出部先端の作成方法と形状の検討を行った。吐出部先端の作成はガラス細管を加熱し、急速に引き抜くことによって得られるガラス細管を加工する方式が、比較的簡便・有効であることが各種実験を通して判明した。そこで、吐出部先端の内径が、吐出する液滴の大きさにどのように影響するか実験によって求めた。その結果、吐出部先端径を10μmから2μmまで減少させるに従い、吐出する液滴の大きさも減少し、特に5μm以下の場合、急速に減少し、直径10μm以下の液滴が観測されるようになった。
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