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2005 年度 実績報告書

流れと超音波の共存する場における微粒子を含む混相流挙動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16560140
研究機関福井大学

研究代表者

太田 淳一  福井大学, 工学部, 助教授 (20168941)

キーワード混相流 / 超音波 / 固液分離 / 粒子集合 / 音響流 / 音圧 / キャビテーション
研究概要

本研究は,従来とは原理の異なる方式で液中の微粒子を除去するために,超音波放射力を利用して,混相流(微粒子と液)の粒子を局所に集合させる現象に関するものである.これは基礎的な現象そのものが解明されているとは言えない状況である.従って,本研究の目的は,超音波を照射する際,粒子集合現象の分類を行い,異なる形態で集合するメカニズムを明らかにすることである.
実験では上部の大気開放された矩形容器の内部の静止水に,粒子直径の異なるアルミニウム粒子,アルミ箔製粉末,架橋アクリル粒子のいずれかを投入した混合液に超音波が照射される.容器の側壁に設置された超音波振動子から,水平方向に周波数f=22kHzあるいは96kHz,出力N=3〜30Wの超音波を照射して,超音波定在波が水中に作られた状態でこれらの粒子挙動を調べた.この超音波の照射方向をZ方向とする.鉛直上向きの方向をY方向とする.その結果,主に次のことが得られた.
音圧分布について,
(1)Z方向には従来から知られているような正弦波状の音圧分布が得られた.(2)Y方向にも,波形の音圧分布が得られた.
粒子の集合について,
筋状の集合,粒子塊状の集合,点状の集合,および粒子が集合しない場合が観察され,分類された.
f=22kHzの場合---(1)アルミ箔片において,キャビテーションが発生せず,出力の低い場合は,超音波の半波長毎に筋状に集合した.(2)直径d=50〜150μmのアルミ粒子において,キャビテーションの影響が強い場合,粒子塊として集合することを明らかにした.
f=96kHzの場合---(3)d=50〜150μmのアルミ粒子は,点状に保持されることを明らかにした.(4)d=50μm以下のアルミ粒子及びアクリル粒子は,音響流を抑えることによって筋状に集合させることができた.
集合のメカニズムについて
粒子が,粒子塊状,点状,筋状と異なる集合,粒子集合が起こらない場合に対して,粒子にかかる複数の力を考察し,それら力の大小関係によって,粒子によらず異なる形態に集まることが定性的に説明できた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 固液混合液内の微粒子挙動に及ぼす超音波定在波の影響(音圧振幅の異なる場合)2005

    • 著者名/発表者名
      沖村稔, 太田淳一, 中野寛之
    • 雑誌名

      日本混相流学会会講演会2005,講演論文集

      ページ: 145-146

  • [雑誌論文] 固液混合液内の微粒子の挙動に及ぼす超音波の影響(第1報,静止混合液に水平方向に照射する場合)2005

    • 著者名/発表者名
      太田淳一, 真柄隆司, 広部成祐
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集B編 71巻・701号

      ページ: 126-132

  • [雑誌論文] T-ジャンクションによる固液二相流の分配特性(第1報,水平方向から鉛直方向に分岐する場合)2005

    • 著者名/発表者名
      太田淳一, 山本司, 貝沼洋介, 高木邦雄
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集B編 71巻・712号

      ページ: 2892-2899

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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