研究概要 |
1.三次元渦法に関する並列計算システムの構築 並列計算システムを構築した.Parallel Virtual Machine(略してPVM)に基づくシステムであり,分散メモリ型のシステムに分類される.8台のパーソナルコンピュータをスイッチングハブを介して接続した.本研究課題に適用した結果,計算の高速化を達成でき,高速化率はアムダールの法則に従うことが判明した. 2.角柱周りの気泡流の解析への適用 開発した渦法の妥当性を検証するため,鉛直上昇気泡流中におかれた角柱周りの流れ解析に適用した.その結果,カルマン渦に気泡が巻込まれること,渦放出の周波数が単相流時よりも低下することなど,実験結果と一致する解析結果が得られた. また,角柱の縦と横の辺長比(アスペクト比)が異なる場合にも適用した.その結果,アスペクト比が流れに及ぼす影響を良好に予測できることが知れた. 3.気泡プルームの解析への適用 タンクに水を貯め,微小な気泡をタンク底面から放出した際に生起する,気泡プルームの解析に適用した.本現象は,気泡噴流の一形態である.その結果,上昇気泡の周囲に様々な寸法をもつ大規模な渦が発生すること,水の上昇速度は自己相似となること,プルームの揺動の波長と振幅が実験結果と一致することなどが示された. 気泡プルームの中に角柱を挿入した場合の解析にも適用した.その結果,角柱がプルームに及ぼす現象を良好に捉えることに成功した.
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