研究概要 |
1.設計マッハ数2.0からのラバルノズルからの超音速噴流の特性に及ぼすノズルリップ厚さの影響を噴流中心軸上におけるピトー圧測定により実験的に調べた.その結果を要約すると以下の通りである. (1)過膨脹超音速噴流の構造は,ノズルリップ厚さの増加に伴い軸対称モードからスパイラルモードあるいはフラッピングモードへ変化する. (2)過膨脹超音速噴流の場合,ノズルリップ厚さの増加に伴い噴流の軸方向のピトー圧の減衰率が増加する. (3)不足膨脹および適正膨脹噴流の場合,噴流構造に及ぼすノズルリップ厚さの効果はほとんどない. 2.超音速噴流騒音に及ぼすノズル出口に取付けた吸音材を伴う反射板の影響を実験的に調べた.本実験では,反射板として反射効率が約0.8の吸音材と,それとの比較のため反射効率が約1.0の鉄板を使用した.その結果以下の結論を得た. (1)ノズル出口における吸音材を伴う反射板は,過膨脹超音速噴流による騒音を最大13dB低減可能であり,不足膨脹超音速噴流による騒音を最大5dB低減可能である. (2)適正膨脹超音速噴流による騒音に対しては,吸音材の効果はほとんどない. 3.超音速噴流の騒音低減法として従来より良く知られたタブによる騒音低減法と本研究で考案したクロスワイヤーによる騒音低減法を比較検討した結果以下のことが分かった. (1)過膨脹超音速噴流による騒音に対して,クロスワイヤーによる低減法はタブの場合と比較して最大8dB騒音低減可能である. (2)適正膨脹および不足膨脹超音速噴流による騒音に対して,クロスワイヤーとタブによる騒音低減法はほとんど同じ効果である.
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