研究概要 |
本研究によって得られた研究成果は次の通りである。 (1)管内に多孔板を挿入して,伝播する圧縮波の波形を測定し,圧縮波波面における最大圧力勾配の上昇を抑えることが確認された.多孔板の開口率が大きくなるほど伝播する圧縮波波面の最大圧力勾配の上昇は,より抑えられるが開口率25%付近で最適値を持つことがわかった.管内に設置する多孔板は抑制効果が大きく、仕切り板を用いるとさらに効果的である。仕切り板の挿入間隔により抑制効果は変化し、間隔が管径の20倍程度が本実験範囲で最適であった。管内に多孔板を設置した場合の管内を伝播する圧縮波の数値計算モデルを提案し、実験との比較をすることによりその有用性を確認した。 (2)管内に設置する弾性板の材質の違いによって伝播における非線形効果の変化を実験的に確認するために、管内にさまざまな弾性板を挿入して伝播する圧縮波の伝播特性を測定した。その結果、管内に設置する弾性板のヤング率が小さいほど抑制効果が大きいことが分かった。トンネル微気圧波の強さは、圧縮波波面の最大圧力勾配に比例することから、弾性板を用いての騒音低減法の可能性が示された。弾性板を挿入することにより、圧縮波の衝撃波形成距離が増大することが分かった。板材の弾性率が小さいほど衝撃波形成距離は大きくなる。管内に平板を設置した場合の管内を伝播する圧縮波の数値計算モデルを提案し、実験との比較をすることによりその有用性を確認した。管内に設置する平板の取り付け隙間及び弾性係数を変えた数値計算により、その影響を明らかにした。隙間間隔に対する傾向は、板材の材質により変化することが分かった。 (3)トンネル微気圧波の強さは、管出口での圧縮波の最大圧力勾配に比例することから、これらの壁面材を用いてのトンネル騒音低減法の可能性が示された。
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