研究課題
最大出力80mW、波長658nmの可視半導体レーザーを光源とするレーザー2焦点流速計(L2F)を構築した。L2Fの測定体積は2つの焦点から構成され、それぞれの焦点の直径dは約2μm、焦点の長さは約50μmである。2つの焦点の間隔Sを昨年度の36μmから20μmへ縮小し、コモンレールを用いた高圧噴射にともなう液滴の高数密度化に対応することを意図した。液滴が2つの焦点を飛行する時間t1により速度u(=S/t1)を求め、焦点における液滴の散乱時間t2により粒径dp(=u・t2-d)を求めた。(1)噴孔径0.2mmの単噴孔ノズルから大気中に間欠噴射されるディーゼル燃料噴霧コア部の噴孔下流1.5mmおいて、針弁および噴射圧の上昇とともに液滴の速度および粒径が増加することを確認するとともに、0.56msの時間窓ごとの粒径確率密度が抜山棚沢分布で近似できることを明らかにした。(2)コモンレール燃料噴射システムにおいてレール圧を50MPaおよび80MPaに設定し、噴孔径0.16mmのインジェクタから大気中に間欠噴射される噴霧を噴孔下流15mmで計測した。測定点に噴霧が到達する直後からL2Fデータが得られること、さらに、レール圧の上昇による噴霧液滴速度の増加ならびに液滴の微細化が確認された。(3)往復動エンジンのガス流動および噴霧液滴の分裂・合体・蒸発・燃焼を解析するFortranソースコード:KIVA-3に、F.X.Tannerの拡張テーラー液滴分裂(ETAB)モデルを組み込み、噴孔半径をザウタ平均粒径とするカイ2乗分布を噴孔出口部の粒径分布として噴霧液滴挙動の数値シミュレーションを行った。その結果、数値シミュレーションでは粒径が過小評価されること、また分裂モデルの実験定数を変更した修正モデルにより測定結果を再現できることを明らかにした。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
SAE Paper No.2005-01-1238
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Proceedings of the 10th Annual Conference on Liquid Atomization and Spray Systems-Asia
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第14回微粒化シンポジウム講演論文集
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