研究概要 |
サルモネラ菌は5-7本のらせん形状のべん毛を有している周毛性最近であるが,水中を推進するときは,複数のべん毛を束ねて一本のべん毛のように回転させる.また.べん毛モーターを逆回転させて束ねたべん毛を解き放つことにより方向転換を行う. 本研究では,これまで行ってきた単毛性細菌に対する推進機構の解析,べん毛の変形の解析をサルモネラ菌に適用する.まず,サルモネラ菌のべん毛が11本のR状態とL状態をとる素繊維から成りことを考慮した解析を行い,10通りのべん毛形状を取ることを示した.実在するノーマルべん毛とクローズドコイルべん毛を対象として,変形の解析を行い,妥当な結果を得た.この結果は日本機械学会バイオエンジニアリング講演会などで報告し,論文として準備中である. 次に,ストークス流の細長物体理論をべん毛に適用し,また境界要素法を菌体に適用することで周毛性細菌の遊泳運動の解析を行うが,べん毛の計算に対しては妥当な結果を得ており,結果の一部は日本機械学会講演会などで報告している.しかし,べん毛と菌体の相互作用を含めることについては解決しておらず,現在続行中である.
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