研究概要 |
菱形角柱群流路内に発現するフリップ・フロップ流れに関する種々の流れの特性を明らかにし,流体工学的に大変興味ある流れであることを明らかにしてきた.その応用開発に向けては,管路からの流出領域のある範囲までは流れ場の流速・流量の均等化が可能であり,均等多数噴流群として種々の流体工学的制御が期待できる.そのためには,流路内の第三列目から第四列目にかけての分流領域における分岐端であるLeading edgeに発生するエッジトーン現象とフリップ・フロップ流れとの関係の解明などが重要である. 本研究では,PIVによる流れの可視化計測装置を用いて,Leading edge近傍の詳細な流れの特性などを明らかにするために,フリップ・フロップ流れによる均等多数噴流群の構築に関する基礎的研究を行った.従来の菱形角柱群管路に性質の異なる二つの流れを意味するアンビバレント流れを発現する管路を接続し,流出する前後での流れの可視化実験を行った.さらに,それらの管路に並行にスリット管路も付けて,空気を流体に選んだPIV計測も行った.その結果,フリップ・フロップ流れの発現とエッジトーン現象の関係を明らかにするとともに,フリップ・フロップ流れとアンビバレント流れを組み合わせることによって流出噴流の流れの均等性を維持することができ,さらにスリット流れの界面での相互干渉効果で流れの拡散等が抑えられ,安定した均等多数噴流群の構築が可能であることを明らかにすることができた.
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