翼列フラッターに対する前後の隣接翼列の影響を同時に考慮するための、3列の翼列の非定常揚力面理論を更に進展させ、昨年度作成した振動する翼に働く空気力を計算するプログラムに種々の改善と汎用化を行った。これに基づく数値計算を実施して系統的解析を行い、種々のパラメータの効果を定性的および定量的に明らかにした。特に、1列隔てた翼列との空気力学的干渉が決して小さくはなく、したがって、1列おきの翼列相互の空力的連成フラッターの可能性の存在の確信を得た。 ファン動翼列の粘性後流と後置静翼列との干渉において、動翼列と静翼列との音響的干渉を取り入れないで静翼列に働く非定常空気力をCFD-NSコードによって計算し、その上で、動翼列と静翼列との音響的干渉による付加的擾乱項を非定常揚力面理論解析手法で計算するハイブリッド法が考えられる。昨年度実施のハイブリッド法の定式化とプログラム作成を拡充し、広範囲の数値計算を実行して検討を行った。翼列間の音響的干渉は騒音レベルに重大な影響を与えることを明らかにした。 これらの成果を、2006年9月にモスクワで開催された第11回ターボ機械の非定常空気力学、空力音響学及び空力弾性学の関する国際シンポジウム(ISUAAAT2006)、および2006年12月にエジプトで開催された第8回流体力学および推進に関する国際会議(ICFDP8)にて発表した。
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