研究課題
静電浮遊装置により浮遊させた1〜3mmの液滴の非線形挙動を実験的観察した。試験流体として水やプロピレンカーボネートの常温透明液体を用いた。それにより以下の結果を得た。・液滴直径をパラメータとして、測定を行った結果、表面張力値に対する液滴直径の依存性は、確認されなかった。しかしながら、液滴の表面電荷密度に比例して減少した。これは、表面電荷の非均一分布に起因するものと考えられ、補正式においての適用限界があると考えられる。・振動振幅が大きくなるにつれて、非線形効果、重力の影響が顕著に現れることが示唆された。また、周波数を変化させて振動振幅を測定した結果、非線形振動に見られる特徴が確認された。今後は、液滴表面・内部における流れなどについて詳細に調べ、大変形に伴う非線形効果の原因を追究する必要があると考えられる。・浮遊液滴に2次の軸対称振動を印加し、共振周波数の振幅依存性について実験した結果、理論式に一致した共振周波数の減少が確認され、本実験における理論式の妥当性が示唆された。・浮遊液滴に回転を印加し、共振周波数の変化、液滴形状の変化について実験を行い、理論との比較を行った。液滴形状が軸対称から非軸対称形状に転移する回転数の臨界値、共振周波数の増加がほぼ理論と一致することが確認された。また、非軸対称形状での共振周波数の増加についても確認された。・バネ・マス・ダンパー系の非線形振動方程式による液滴振動を模擬した数値計算を行い、実験結果との比較を行った。その結果、非線形項を含んだ場合、実験結果と定性的に類似した傾向が見られた。このことから、大振幅振動液滴に対して、振幅の大きさに依存する非線形効果が存在することが示唆された。
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日本機会学会関東学生会第45回学生員卒業研究発表講演会(2006) Vol.1
ページ: 291-292
Bulletin of the American Physical Society, Program of 58th Annual Meeting of the Division of Fluid Dynamics Vol.50, No.9
ページ: 130