研究概要 |
平成16年度に実施した剥離離れと熱伝達に関する直接数値シミュレーションの結果をふまえ、さらに研究を進展させた。平成17年度において数値解析の対象としたのは、後向きステップ,急拡大流路などであり、得られた結果を要約すると次のようになる。 1.流れの非定常性が著しい状態となるレイノルズ数が1,000程度までの比較的高いレイノルズ数における計算を実施することにより、強い三次元性を有する非定常な大規模渦構造の動的挙動を明白にし、流れと熱伝達特性の相関を明らかにした。さらに、流れと熱伝達の瞬間的特性のみならずその時間変化を明白にすることができた。 2.以上の計算結果を基礎とし、剥離・再付着流れに関して、物体まわり等に形成される馬蹄形渦の三次元構造,剥離剪断層の揺動、再付着点の移動、大規模渦塊の放出機構、馬蹄形渦と大規模渦塊の相互干渉などの動的挙動、さらにはこれらに基づく局所熱伝達率分布およびその非定常変化などの熱伝達機構の詳細を解明し、あわせて剥離・再付着乱流の数理モデル構築の基礎的資料を提供することができた。 なお、数値解析は東北大学情報シナジーセンタースーパーコンピューターSX-7を使用した。
|