研究概要 |
本研究では,アンモニア燃料水素生成システムにおける最適触媒の検討および本システムにおける継続運転時間の分析,実際に車両を試作することで実現性を検討した。アンモニア分解実験の結果,低温度域ではRu/A1_2O_3触媒の方がNi/A1_2O_3触媒よりも分解効率が高いことが分かり,高温度域ではNi/A1_2O_3触媒とRu/A1_2O_3触媒とでは大差ないことが分かった。 分解効率の高いハニカム状の触媒を使用し,本システムのアンモニア除去器内に新たにアンモニア水電気分解装置を組み込むことにより,低温度での高分解効率システムの構築が可能である。また,アンモニア分解除去実験の結果,本システムのアンモニアの分解における最適条件は,触媒温度が800℃,空間速度が400/h,圧力が100kPaの時であり,そのとき約160分間,高分子膜を被毒させてしまう13ppm以下に維持できることが分かった。 試作車両を製作した結果,分解温度の低減およびシステムの小型化,アンモニア漏れ対策が必要であることが分かった。これらの課題をクリアすることにより,アンモニア分解装置搭載燃料電池電気自動車の実現が可能となる。
|