本研究では、格子内に吸水ポリマーを充填し、その中に水を混入して格子内圧力を発生させ、その圧力で穴があいた場合に、穴を自己修復させる方式の「穴があいても空気漏れのない自己修復型のパンクレスタイヤ」を開発し、その走行安定性を確認することを目的としている。この目的を達成するため、平成16年度は下記のような研究を行い、それに対する成果を得た。 (1)製造が容易な特殊な格子構造を有するシーラント層を開発した。 (2)上記で製作した試験片に穴をあけ、空気漏洩遮断特性を検討したところ、シーラント層の厚みを4mmとしたとき、5.2mm直径の釘(5寸釘)で本シーラント層を有するタイヤに穴をあけても瞬時に穴が自己修復し、空気漏洩の無いことを確認した。 (3)水の混入されたクーラント液(膨潤液として使用)による坊錆効果の実験を行い、クーラント液と水の最適混合割合を明らかにした。 (4)シーラント層を透過して水分が熱の作用下でどの程度外に漏れるかの実験的検討を行ったところ、水分の蒸発はほとんどないことを確認した。 (5)本タイヤによる突起乗り越し実験を行ったところ、本タイヤは通常のタイヤに比べて減衰効果が大きく、通常タイヤより伝達率を下げることができ、かつロードノイズも低減できることが確認できた。
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