研究概要 |
1.光造形材料の特性評価と選定 光造形システムで光造形プレートを造形するために用いる光硬化性樹脂を選定した.次に,造形条件(照射,走査)を変えて種々の造形を試行し,得られた試作品を比較検討して本研究の光造形対象物に適した造形条件を選定した.さらに,選定条件でJIS試験片を造形し,引張試験と曲げ試験を実施して,構造設計に必要な特性を評価した. 2.光造形プレートおよび搬送系の設計製作 光造形プレートの形状設計(傾斜ピンの寸法,傾斜角度,配置間隔など)を実施し,造形用3DCADデータを作成した.造形用サポート等を検討し,造形品の形状精度を測定して,光造形で所望の形状精度が得られて光造形の適用が有効であることを明らかにした.また,光造形プレート上の搬送物を効果的に搬送するための搬送系を設計製作した. 3.最適設計法の確立 ワークを搬送するために用いる光造形ユニットの傾斜ピン群の垂直加振について,上下方向に振動する弾性傾斜ピンとピン上に置かれた別体のワーク(等価部分)から成る振動系としてモデル化した.振動系のモデルには,傾斜ピンの傾斜角度,直径,長さ,材料特性や傾斜ピンとワークとの間の摩擦係数を考慮した.このモデルから最適設計法を明らかにした. 4.搬送性能の評価 アルミハニカムをベースプレートとして,下面側に加振源を配置設計し,ベースプレート上に光造形ユニット群を配列した再構成可能型搬送システムの搬送原理モデルを試作した.この試作システムを用いて,ワーク,傾斜ピンの傾斜角度,加振周波数などがシステム性能に及ぼす影響を実験により評価し,搬送性能を明らかにした. 最後に本研究の成果を総括し,今後の実用化に向けて解決すべき課題を整理した.
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