研究課題/領域番号 |
16560226
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
三原 豊 香川大学, 工学部, 教授 (50314901)
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研究分担者 |
大平 文和 香川大学, 工学部, 教授 (80325315)
平田 英之 香川大学, 工学部, 教授 (90304576)
橋口 原 香川大学, 工学部, 教授 (70314903)
吉村 英徳 香川大学, 工学部, 助教授 (30314412)
細木 真帆 香川大学, 工学部, 助手 (50363180)
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キーワード | マイクロ部材疲労強度試験 / ナノ部材疲労強度試験 / フォトリソプロセス / 半導体歪みゲージ / 櫛歯形アクチュエーター / 金属コーティング材 |
研究概要 |
今年度は、昨年度製作したマイクロ・ナノ疲労試験機を使用し、単結晶Siとコーティング材の疲労試験を実施した。また、Si材の疲労現象の解明に関する研究を行った。 1.Si単結晶の曲げ疲労試験と曲げ強度試験 試験片サイズ 幅5,10,15,20ミクロン×厚さ10ミクロン×長さ50ミクロンの試験片を用い、応力振幅を500〜800MPa、周波数を500Hz,1KHzの範囲で曲げ疲労試験を実施した。その結果、破断回数にばらつきは有るものの10^6〜10^9回で疲労破壊することが分かった。、また、サイズ効果が有り、小試験片の方が疲労強度の高いこと、周波数の依存性は無いことが分かった。 2.Si単結晶の疲労データ整理方法について 疲労破面を見ると、延性材料のに見られるストライエーションは観察されなかった。また、破面は脆性的な挙動を示しているが、劈開面{111}に沿うものは少なく、試験片長手方向に直角な破面が多くあった。このような脆性破壊のデータの整理方法として、通常のS-N線図ではなく、時間に依存した破壊と考え、当価負荷時間によって整理した。その結果、曲げ破断試験までを含め、S-N線図による整理より纏まった整理の出来ることが分かった。 3.Si単結晶の疲労現象に対する仮説 Si単結晶の疲労は通常の延性材料と異なり、負荷1回の疲労進展が分子間隔以下と非常に少ない事が、脆性破壊強度予測理論と表面粗さからの進展を考慮することに推測できる。そこで、Si単結晶の疲労亀裂がSiの酸化により起こるのではないかとの仮説を立てたが、この論証を出すところまでは出来なかった。次年度の研究対象としたい。 4.Si単結晶のAlとTiNコーティング材の疲労試験結果 AlをSi単結晶上にスパッターリングによりコーティングした試験片の疲労試験を行った。その結果、コーティング材の方が平均的に少ない回数で破壊の発生している事が分かった。また、TiNをイオンプレーティングでコーティングしたSi単結晶の疲労試験を実施した。その結果においても、コーティング材の方が疲労強度の低いことが分かった。
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