研究概要 |
マニピュレータを搭載した水中ロボットの制御実験を行うため,以下の実験装置製作および各種基礎実験を行った. まず,関節回転軸方向を変更可能なマニピュレータ用円筒リンクを製作して,スラスタ6基からなる水中ロボットに搭載し,研究代表者らが提案している水中ロボット用連続時間分解加速度制御法を適用した実験により,ロボット本体およびマニピュレータ手先の3次元軌道追従制御実験を行い,提案制御法の有用性を確認した. 次に,1軸小型ジャイロ(角速度センサ)を3個用いた防水センシングユニットを試作するとともに,ディジタル型の姿勢角導出法を提案し,ロボット本体用姿勢計測システムを開発して上記水中ロボットに搭載した基礎実験を行った。センシングユニットから角度導出用コンピュータを結ぶ長さ20mのケーブルを用いたにも関わらず,ノイズフィルタなしで十分な計測精度が得られ,今後,角度導出用コンピュータをロボット本体に搭載することにより,姿勢計測システムの更なる計測精度向上が期待できる.なお,上記ロボット本体およびマニピュレータ手先の3次元軌道追従制御実験は,開発した姿勢計測システムも用いて行っている. さらに,水中ロボットがマニピュレータにより物体を捕獲するために必要となる,2台の可動カメラを用いた位置・姿勢計測用ステレオビジョンシステムを開発した,本システムは水中ロボット搭載用として,各々のカメラに対してパン・チルト用に1個ずつ,また,両カメラを等距離でスライドさせるために1個の計5個のパルスモータを採用しており,パルスモータへの入力パルス数を用いてカメラの角度・位置を計測でき,小型軽量化を図っている.開発した位置・姿勢システムを用いて,3つの光点からなる計測対象の位置・姿勢計測実験を地上において行い,マニピュレータ作業に十分な計測精度が得られることを確認した.
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