研究概要 |
これまでに開発したウェアラブル・パワーアシスト・ロボット(肩2自由度:垂直屈伸および水平屈伸運動,肘1自由度:屈伸運動を補助)を基に,肩3自由度(垂直屈伸,水平屈伸,内外旋運動),および肘1自由度(屈伸運動)の合計4自由度の運動を補助するウェアラブル・パワーアシスト・ロボットシステムを再設計し,製作した.また,実用化を進めるため,3自由度(肩2自由度:垂直屈伸および水平屈伸運動,肘1自由度:屈伸運動)のウェアラブル・パワーアシスト・ロボットシステムを電動車椅子に設置することを検討し,これまでのロボットをベースに再設計し,現在製作中である,本ロボットの手首部で発生する力信号(装着者とロボットとの動作誤差信号)をフィードバックするためのカセンサーは,市販の3軸力センサーを用いて作成した. 一方,制御系(ソフトウェア系)に関しては,肩の内外旋運動の制御則を追加するため,装着者の肩周辺部および上腕部の筋肉の筋電信号から,装着者の肩の内外旋運動を瞬時に推定するために必要なデータを取得するための実験装置を製作し,複数の被験者による実験を行った.基本的な上肢姿勢においては,11ヶ所の筋電信号を基にこれまでの3自由度(肩2自由度:垂直屈伸および水平屈伸運動,肘1自由度:屈伸運動)のパワーアシストに加え,追加した内外旋運動のパワーアシストができることを確認した.今後は,上肢姿勢変化が肩の内外旋運動を行う筋肉の筋電信号に与える影響を補償する知的インターフェイスを開発するため,これらの影響を調べる実験を複数の被験者により実施する. 本研究では,ソフトコンピューティング(言語的表現により柔軟な推論を行うファジィ推論,および適応・学習能力を持つニューラルネットワーク)を用いることにより,これらの知的制御および知的インターフェイスを実現させている.
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