研究概要 |
高齢者や障害者等の筋力弱者の日常生活での動作やリハビリテーションを支援するため,使用者の体に直接装着して動作補助(パワーアシスト)する外骨格型ロボット(ウェアラブル・ロボット)の研究を行った.高齢者や障害者等を対象とした外骨格型パワーアシストロボットでは,装着者の動作意思通りに自動的に動作補助を行うことが重要であるため,本研究では装着者の動作意思を反映した生体信号である筋電信号を基にパワーアシストを行うものとした.筋電信号を基に外骨格型ロボットでパワーアシストを行うことは様々な理由により容易ではないが,本研究では曖昧な信号を扱うことができるファジィ制御と学習・適応能力を有するニューラルネットワーク制御を融合したファジィ・ニューロ制御を用いることで様々な問題点を解決した. これまでに上肢運動を補助する3自由度(肩関節の垂直屈伸運動,水平屈伸運動,肘関節の屈伸運動)外骨格型ロボット等を開発してきたが,本研究ではこれらを基に日常生活において欠かせない取り寄せ動作や食事動作を考慮し,肘関節屈伸運動と前腕回内外運動を同時に補助する2自由度外骨格型ロボットや,肩関節3自由度運動と肘関節運動を補助する4自由度外骨格型ロボットの開発等を行った.また,外骨格型ロボットの実用化を考慮し,外骨格型ロボットと電動車いすを一体化したモバイル外骨格型ロボットも開発した.これらの外骨格型ロボットの有効性は実験により確認した.
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