研究課題
17年度の当該研究における目的は、「16年度に実施した遠隔制御実験で得られた知見を生かして、通信時間の遅延が存在する環境下においても安定なマイクロマニピュレーション作業を遂行可能なシステムを構築すると共に、より広範囲な微細作業に対応可能なシステムの拡充を図る」ことにある。上記目的の遂行を鑑み、主に以下の3点の研究課題を中心に進めたので以下に報告する。(1)タイ・日本間の遠隔操作型力覚フィードバック実験インターネット利用におけるパケット通信手法をこれまでのTCPからUDPに変更するとともに、より安定な力覚フィードバックを得られるよう異常検出力に関するチェック機能などを付加することによりシステム全体の高速度化・高安定化を図った。このような改良を施したシステムを用いて2006年1月24〜27日の期間にタイに赴き遠隔操作実験を行ったところ、過去に実施した同様な実験と比較して格段に良好な結果を得ることができた。(2)通信時間遅延対策を目的とした仮想環境モデルの構築通信時間の遅延は、非接触状態から接触状態(あるいはその逆)のようにシステムの状態が遷移する場合に大きな問題となる。ここでは遠隔地の状態を実時間的に逐一モニターする代わりに、主要な環境情報をあらかじめ仮想環境として局所的に用意しておき、操作者が感じる力覚反力を基本的には仮想環境モデルに基づいて生成する方法によってその問題を回避している。この仮想環境モデルを用いて(1)の遠隔操作実験において検証を行ったところ、非常に快適な作業環境を操作者に提供できることが確認できた。(3)オフセット型平面ヒンジリンク機構を用いたプローブの姿勢制御システムの多機能化を目標として、従来の並進運動性に加え、回転運動性を与えるために、プローブ先端を不動点とする任意の姿勢制御が可能なオフセット平面ヒンジリンク機構を用いた試作機を2機開発し、その基本的な有効性を確認した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
Proc.of 2005 IEEE/ASME Int.Conf.on Advanced Intelligent Mechatronics
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Proc.of 2005 JSME Conference on Robotics and Mechatronics (ROBOMEC' 05)
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