研究概要 |
酸素原料ガス無声放電ならびに大気圧ヘリウム・酸素混合ガス高周波(13.56MHz)放電の実験と大気圧高周波放電の流体モデルによるシミュレーションを行った。 酸素原料ガス無声放電によるオゾン生成に関する実験より,時間変調方式でのオゾン生成効率は放電への投入電力の増加に伴い減少するが,従来の連続方式電力供給源を用いた場合に比べオゾン生成効率は最大で約20%改善できることが明らかになった。達成したオゾン生成効率の最大値はおよそ220g/kWhであった。 ヘリウム・酸素混合ガス高周波放電に関する実験より,酸素混入率が5%未満の場合安定したグロー放電が得られること,グロー放電からアーク放電に移行する前にαモードからγモードへのモード変化が生じることが明らかとなった。また,発光分光法ならびに紫外光吸収法に基づくプラズマ組成の推定結果より,大気圧高周波放電中の酸素原子密度はバリア放電などの他の大気圧放電中での酸素原子密度に比べて数桁高くなる一方,オゾン密度は他の大気圧放電に比べてむしろ低くなった。高周波放電でのオゾン生成効率は低く1-10g/kWh程度であった。しかしながら,時間変調式電力供給源を使用した場合,オゾン生成効率は連続方式に比べ最大でおよそ20倍改善された。 流体モデルによるシミュレーションを行い,ヘリウム・酸素混合ガス高周波放電の酸素混入の影響について調査した結果,プラズマ中のイオン組成は0.1%程度の微少酸素混入時でさえ純ヘリウム放電のイオン組成とはかなりの差異があり,正イオンとしては酸素分子正イオン,負の荷電粒子としては酸素原子負イオンがそれぞれ支配的となった。
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