研究課題/領域番号 |
16560261
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
原 武久 関西大学, 工学部, 教授 (20026214)
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研究分担者 |
米津 大吾 関西大学, 工学部, 助手 (20368202)
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キーワード | 時間領域差分法 / 遺伝的アルゴリズム / 電磁シールド / 電磁波吸収体 / ポインティングベクトル / 離散フーリエ変換 / 多目的最適化 / スペクトラムアナライザ |
研究概要 |
本年度の研究では、まず同軸ケーブルの空隙から放射される電磁波を評価するために昨年度作成したシミュレーションプログラムと測定結果の比較を行った。信号発生源であるトラッキングジェネレータとスペクトラムアナライザ間を健全な同軸ケーブルでつないで伝送電力を測定し、続いて空隙を設けた同軸ケーブルの伝送電力を測定することで伝送率を求めた。その結果、シミュレーション結果と同様に高周波になるほど伝送率が低減する、空隙が大きくなるほど伝送率が低減することが確認できた。次に、遮蔽性能が明らかとなっている既製品の電磁波遮蔽シートの遮蔽特性の評価を試みた。トラッキングジェネレータで発生させた信号を送信アンテナから放射し、受信アンテナで受信した信号をスペクトラムアナライザで測定した。その結果、所期の遮蔽樽性を得ることができた。 また、昨年度の研究に引き続き、所望の周波数の電磁波を吸収させる空孔配置型電磁波吸収体、所望の周波数の電磁波を遮蔽する導体板配置型電磁シールドの設計をシミュレーションにより検討した。本年度は昨年度作成した設計プログラムにおいて、製作の容易性を目的関数として加えた多目的設計プログラムとした。その結果、吸収・遮蔽特性のみを評価した場合に比べ、吸収・遮蔽特性は若干劣るものの、製作が容易と考えられる配置が得られることが明らかとなった。なお、空孔・導体板の配置と吸収(透過)量・周波数の関係は明らかにすることはできなかったが、吸収体の材料定数・厚さの変化に対する吸収(透過)量・周波数の変化を把握することができた。 以上のように本年度の研究では同軸ケーブルの伝送特性をシミュレーションプログラム、測定により評価することができた。また、製作が容易と考えられる空孔配置型電磁波吸収体・導体板配置型電磁シールドを設計できることをシミュレーション上で確認できた。
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