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2005 年度 実績報告書

薄膜技術を用いたリチウム二次電池の作製と評価

研究課題

研究課題/領域番号 16560272
研究機関静岡大学

研究代表者

以西 雅章  静岡大学, 工学部, 助教授 (80022317)

キーワードリチウム二次電池 / 反応性蒸着法 / マンガン酸化物薄膜 / スピネル構造 / マンガン酸リチウム
研究概要

Li二次電池の陽極活物質層として、スピネル構造をもつ、マンガン酸化物(LiMn_2O_4)を考えている。本研究では、反応性蒸着法によりハウスマナイト(Mn_3O_4)薄膜を生成している。反応性蒸着法では、蒸発物の金属Mnが酸素雰囲気中で酸化し、蒸着回数を重ねるにつれて、蒸着速度が減少するという重大な問題がある。薄膜組成の再現性を向上するためには、この蒸着速度を安定化する事が必須である。
平成17年度は、SUSセルを使用した酸化防止法をさらに洗練し、最適蒸着条件を調査した。これまでの研究で、初回の蒸着速度を15Å/s程度に設定することにより、Mn_3O_4薄膜が生成できることが分かっている。SUS cellの長さを10mmから70mmまで変化した時の蒸着速度について調査した。その結果、Mn_3O_4の結晶を生成するには、SUS cellの長さが30mmが適していることが分かった。
次のステップとして、Liを含むMn酸化物薄膜の生成を試みた。具体的には、これまでの金属Mn用るつぼに加えて、新しくLi用のるつぼを設置した。Li用蒸発物として、LiNO_3を使用した。まず最初にLiNO_3の蒸発条件を調べた。その結果、は400℃付近から急峻に蒸発が開始されることが分かった。そこで、LiNO_3のるつぼ温度を400℃に設定し蒸着を試みた。その結果、LiNO_3が蒸着できることが分かった。
次にMn_3O_4薄膜中にLiを挿入する方法を考案した。試行錯誤の結果、Mn_3O_4層でLiNO_3層をサンドイッチする方法を考案した。すなわち、Al基板上に第一Mn_3O_4層を蒸着し、その後LiNO_3層を蒸着する。基板をLiるつぼ上に移動した後、第二Mn_3O_4層を蒸着する。このサンドイッチ構造でLiを閉じ込めることが出来れば、Liを含むMn酸化物薄膜が生成できると考えている。この三層構造の薄膜を作製しX線回折法で結晶構造を調査した。その結果、Mn_3O_4のピークは観察できたが、LiMn_2O_4のピークは得られていない。この原因は、蒸着されたLiが、第二Mn_3O_4層を蒸着する際に最蒸発しているためであると考えている。
この問題を解決することが次年度への課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Li二次電池用Mn酸化物薄膜の生成2005

    • 著者名/発表者名
      以西雅章, 立井友浩, 藤安洋
    • 雑誌名

      信学技法 ED2005-23

      ページ: 39-43

  • [雑誌論文] Prevention of Manganese Oxide films for Li secondary batteries2005

    • 著者名/発表者名
      M.Isai, Y.Chonan
    • 雑誌名

      The 16th Symposium of the Materials Research Society of Japan Program and Abstracts

      ページ: 268

  • [雑誌論文] Trajectory of Research on Reactively Evaporated Mn Oxide Films2005

    • 著者名/発表者名
      M.Isai
    • 雑誌名

      The 16th Symposium of the Materials Research Society of Japan Program and Abstracts

      ページ: 276

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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