研究概要 |
平成19年度は,マグネトロンスパッタリング法によりLiMn_2O_4薄膜の生成を試みた。ターゲット物質の酸化防止を目的とし,ドーナツ円板を導入した。スパッタリング条件は,RF電力は,100W雰囲気はAr:O_2=3:1(sccm),スパッタリング圧力は5Paとした。スパッタリング変数は,ドーナツ円板の口径と堆積時間である。ドーナツ円板の口径は,20,30,40mmなし(70mmに相当する)とした。堆積時間は30,60,90,120,150分とした。 実験の結果以下の事が分かった。 1.ドーナツ円板の口径は30mmが最適である。(以下の数値は,口径30mmの値) 2.ターゲットの酸化抑制にドーナツ円板は効果がある。堆積時間30,150分でそれぞれ,0.57,0.38Å/sである。67%の値を保持している。口径40mm時に,堆積時間30,60分でそれぞれ,0.42,0.21Å/sの例があった。 3.ドーナツ円板は蒸着効率向上に適している。Ar:O_2=3:1(sccm)の条件で,0.45AÅ/sが得られた。堆積速度が,口径40mm及びドーナツ円板なしに比べて3.2倍大きかった。この原因は,今後の検討課題である。 4.ドーナツ円板による結晶特性の向上は見られなかった。 今後は,本研究をふまえ,スパッタ装置の内部構造を検討し,薄膜特性の向上を目指す。続いて,電池を作製し電池特性を評価する。
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