研究課題
In_2O_3-ZnO系とSnO_2-ZnO系での透明導電膜についてスパッタ法で膜作製をおこない、それらの電気的、光学的特性やアニーリング特性について調べた。ターゲットにZnO(またはSnO_2)とIn_2O_3のセラミックターゲットを同時に対向ターゲット式スパッタ法で、Arガス中でスパッタした。ターゲットに流す電流を0〜80mAの範囲で変化させ、その時の電流比δをδ=I_<Zn>/(I_<Zn>+I_<In>)と定義した。まず、In_2O_3-ZnO系についてδ値とZnとIn/(Zn+In)組成比はほぼ一致している。膜構造はδ=0〜0.2でIn_2O_3結晶構造、δ=0.2〜0.7でアモルファス構造、δ=0.7〜0.8でホモロガス結晶構造、δ=0.8〜1.0でZnO構造を示す。Al_2O_3を不純物としてZnO:Alの形で添加してスパッタ添加したときのAl_2O_3の影響について調べた。Al_2O_3の影響はあまりなく、Al_2O_3の添加量が増えるとIn_2O_3が現れるδ値が0.2より増大する。電気的特性は2wt%添加でアモルファス相膜のキャリア密度がかなり上昇したが、3〜4wt%添加した場合キャリアの増大はあまりない。このことはアモルファス中ではAlが通常のドナーとして働いていないことを示す。Al_2O_3の2wt%添加膜では光学的バンドギャップの収縮が見られるが、3〜4wt%添加すると逆に光学的バンドギャップの上昇が見られ、膜は短波長側での透明度が上昇した。また、N_2+H_2(5%)中で短時間アニールによりアモルファス膜の表面が極端に平坦になった。これらの現象は応用上重要な結果を含むと考えられる。SnO_2-ZnO系膜も同様に作製された。SnO_2-ZnO系もアモルファス相が存在した。アモルファス相は350℃でも存在した。低コストであるSnO_2-ZnO系において、ドーパントであるSbの添加量を増加したり、スパッタガスに酸素ガスを導入するなどして、抵抗率の減少を試みたが、抵抗率は4×10^<-2>Ωcmにとどまっており、最適条件に達していないものの、透明性は良好で、In_2O_3-ZnO系と同様に表面の平坦な膜が得られることがわかった。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
Journal of Vacuum Science and Technology (In press)
Journal of Vacuum Science and Technology Vol.22 No.4
ページ: 1705-1710
Vacuum Vol.74 No.3-4
ページ: 607-611
ページ: 683-687
The 13^<th> International Conference on Processing and Fabrication of Advanced Materials Singapore Dec.