研究課題/領域番号 |
16560277
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
権丈 淳 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (20037899)
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研究分担者 |
佐道 泰造 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20274491)
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キーワード | 電子デバイス・機器 / オプトデバイス / 光通信 / 光・電気集積回路 / 結晶成長 / シリサイド半導体 |
研究概要 |
本研究では、Si系電気・光集積回路の実現を目指し、直接遷移型シリサイド半導体(β-FeSi_2)を高品質形成すると共に、格子歪み制御による発光の高効率化と波長多重化を探索する。 β-FeSi_2は、Si-ULSI製造プロセスとの整合性が高い。その為、化合物半導体では困難であった、ULSIとモノリシックに融合しうる発受光デバイスの基盤材料として、期待が高まっている。しかし、β-FeSi_2の格子定数は、Siに比して約2%大きい為、Si基板上への高品質エピタキシャル成長は難しい。その為、結晶成長の高品質化には、基板の格子定数の変調など、新手法が必須である。また、次世代波長多重通信を実現する為には、発光波長の多様化が必要である。理論計算より、β-FeSi_2のバンド構造は格子歪みにより変調可能である事が明らかとなっており、結晶成長時の格子歪み制御により、バンドギャップの変調が可能と期待される。 本年度は、β-FeSi_2のエネルギーギャップの広帯域化を目指し、Ge導入による格子歪み変調の可否を検討した。まず、a-Fe_<0.45>Si_<0.45>Ge_<0.1>/Si基板の固相成長を検討したが、シリサイド層に供給するSi原子が欠乏してFeSi相の形成が優先し、β-FeSi_2の形成量は非常に少ないことが判明した。そこで、シリサイド層へのSi供給を促進する為、[a-Si/a-Fe_<0.4>Si_<0.5>Ge_<0.1>]_n/c-Si積層構造の固相成長を検討した。その結果、700℃で熱処理を行うと歪β-FeSi_2層(歪量:約0.5%)が優先的に形成される事が明らかとなった。 この結果は、Ge導入によりβ-FeSi_2の格子歪制御が可能である事を示す成果である。
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