研究課題
基盤研究(C)
本研究は厚さ1nm以下、且つ優れた耐熱性を持つバリアーを高温超伝導積層型接合の下部電極表面の原子オーダーの改質により実現することを主目的の1つとした。そこで、まず、均一な薄膜が得られ易いことから集積回路作製に適するプロセスと見なされているが、膜の平坦性が他の手法と比べて劣っていたスパッタリング法によるc-軸配向YBa_2Cu_3O_7(YBCO)膜において均一な改質層を得るための超平坦表面の実現、そのAr^+ビーム照射による形状、電子構造変化の評価を行った。表面を単位格子高さのステップと原子レベルで平坦なテラスとした場合、成長温度を750~755℃の狭い範囲(スパッタ粒子の再蒸発が無い範囲で表面拡散速度が最高となる条件)に厳密制御することにより、、a-軸配向結晶粒の混在はほぼ完全に抑制され、RMS≦1.0nm、接合割く正常最も重要な最大凹凸もc-軸方向で2ユニットセルにほぼ相当する2.5nm以下の、スパッタリング法によるYBCO薄膜としては最高レベルの平坦性と良好な伝導特性T_c(p=0)>81Kを持つ下部超伝導電極層が得られることが明かとなった。このような超平坦下部超伝導電極表面をイオンビーム照射した場合、改質バリアーの出発点となる表面に形成される非晶質化した層の厚さがイオンドーズ量や積分照射エネルギーではなく、イオンの運動エネルギーに依存することを初めて明らかにし、エネルギー条件を1keV程度とすることにより改質層厚さが3〜5nm且つの700℃以上の高温プロセスに数時間曝されても超伝導体の構造に再結晶化しない、バリアーとして理想的な改質層が得られることを明らかにした。これらの成果を基に、超平坦下部電極、その表面を高エネルギーイオン照射して形成した熱的に安定なバリアー層、短時間プロセスで形成した上部電極からなる三層構造を用いて接合を作成したところ、RSJ型の特性が得られる歩留まりが大幅に向上が達成され、接合面積10μm角までのYBCO/界面改質バリアー/YBCO積層型ジョセフソン接合の試作に成功した。接合寸法は現有のフォトリソグラフィーの性能によって制限されているのみであり、本研究で得られた安定・均一なバリアー層と良好な特性の超伝導電極を持つ積層構造を高分解能なシステムにより加工すれば、高集積化二適する接合が得られると考えられる。、以上から、本研究の目標である接合高度化に向けた積層型高温超伝導接合の作成プロセスの確立は、計画通りに達成されたと考える。
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