研究課題/領域番号 |
16560280
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
田中 康寛 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (30227186)
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研究分担者 |
高田 達雄 武蔵工業大学, 環境情報学部, 教授 (10061532)
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キーワード | 宇宙機 / 内部帯電 / パルス静電応力法 / 圧力波法 / 絶縁材料 / 電子線照射 / プロトン照射 / 電荷分布 |
研究概要 |
静止軌道などの比較的高高度を飛行する宇宙機は、太陽フレアの活動が活発になると、数keV〜数MeVの電子線やプロトンなどの高エネルギー宇宙放射線に曝される。これらの放射線が宇宙機の絶縁材料に照射されると、絶縁材料は帯電し、場合によっては放電事故を引き起こし、宇宙機に一時的、または恒久的な損害を与え、宇宙機の活動を著しく妨げる要因となる。この現象においては照射される放射線のエネルギーが高いため、絶縁材料表面の帯電にとどまらず、材料内部に電荷が蓄積する内部帯電現象であり、その放電事故に至るメカニズムは現在でも明らかにされていない。本研究では、電子線やプロトンの高エネルギー放射線が絶縁材料に照射された際に、材料内部に電荷が蓄積する過程を計測する装置を開発し、実際に放射線を照射した際の電荷蓄積過程を観測した。電荷分布の測定には、我々が開発したパルス静電応力法や、圧電素子誘起圧力波法を用いた。 まず、宇宙機の熱制御材に使用されるポリイミド、ケーブル絶縁材料のフッ素樹脂、太陽電池のカバーガラスなどに電子線を照射した際の電荷蓄積過程を観測した。この結果、ポリイミド(カプトン【○!R】)よりもフッ素樹脂(テフロン【○!R】)に電子線を照射した場合に、電荷が多量に蓄積すること、ガラス材料に電子線を照射すると、ガラス材料の組成によっては、負電荷のみならず正に帯電することなどを見出した。 また、プロトンをアクリル材料やガラスに照射した後に電荷分布を計測すると、材料内部に正の帯電が観測され、その電荷分布の位置は、計算機シミュレーションにより求められる飛程(電荷が材料内部に侵入する照射表面からの深さ)にほぼ一致していることを見出した。 さらに蓄積した電荷が温度変化によりどのようにその分布を変えるかを観測するために、電荷分布を温度変化させながら測定するシステムを開発し、温度変化にともなう電荷の移動の様子を観測した。
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