研究課題
金属薄膜メッシュのフィルタとしての透過特性について検討し、下記の知見を得た。メッシュの膜厚が薄い場合にも厚い場合にも、開口周期程度の波長の電磁波が入射した場合、表面特有の定在波モードが発現して、表側での入射と裏側からの出力という電磁波モード状態還移の介在状態として仲立ちをすることで透過率を上げる。このような表面特有のモードは、電波領域では表面波、光領域では表面プラズモンと呼ばれるものであり、面に垂直な方向に対してはエバネッセント波として振舞うものである。テラヘルツ波についても、このようなモードが発現し、フィルタの透過率を上げる。このような機構を利用すれば、斜め入射の電磁波に対しても、表面波モードとの結合が可能となり、透過率の向上を図ることができる。さらにこのような機構は、メッシュの両側で誘電率が異なる場合でも、メッシュの口径と周期を適切に制御することで利用可能である。半導体表面にパルスレーザを照射した場合、半導体内部表面付近で発生するテラヘルツ波は、表面に対して垂直方向よりはむしろ斜め方向に強く放射されるので、半導体から外に出る場合に空気との界面での屈折率の不連続性から、その透過率は低いものとなる。もし、その界面において表面波モードが発現可能であれば上記の機構により透過率の向上につながるが、平坦な半導体表面においては表面波モードとテラヘルツ波との結合は起こらない。しかし、半導体表面に2次元周期構造を導入することで、テラヘルツ波領域での表面波発現が可能となり、発生したテラヘルツ波の出力特性の向上につながる。このようなことは蒸着した金属薄膜による周期構造でも可能であり、作製の容易性につながる。
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電子情報通信学会技術報告 MW2005
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Collected Abstracts of 2005 RCIQE International Seminar (February 8th-10th,2005,Sapporo)
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電子情報通信学会技術報告 MW2004-133
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