研究概要 |
本研究の目的は,対象物の硬さ軟らかさを測定するための新しい構造の高性能圧電振動型触覚センサを開発することである。平成17年度はこれまでの研究成果を踏まえ,特に力センサ一体化型触覚センサの研究及び触覚センサの高感度化について検討を行った。以下に本年度の研究実績の概要を示す。 1.周波数変化型力センサを一体化した触覚センサの研究 力センサを一体化した縦振動子触覚センサの小型化の検討を行った。触覚センサに関しては,以下に述べるように振動子を小型化し高周波数化することにより感度を向上できることを実験的に示した。力センサについては,コンピュータシミュレーション技術を用いて,力センサの感度及び支持部の振動変位の解析を行った。力センサのアーム長を短くし小型化すると,感度が低下するとともに支持特性も悪くなることがシミュレーションと実験により明らかとなった。 2.縦振動子触覚センサの感度の検討 縦振動子触覚センサを分布定数線路モデルを用いて取り扱い,触覚センサの感度に相当する周波数変化率の近似式を算出した。また,共振周波数及び振動モードが異なる縦振動子を試作し,触覚センサとしての実験的考察を行った。振動子の共振周波数が高く低次の振動モードを用いる方が,触覚センサとしての周波数変化量及び周波数変化率をともに大きくできることが明らかとなった。 本研究で得られた成果は,圧電振動型触覚センサの設計・開発すなわち特性の向上や改良に役立つとともに,圧電単結晶を用いた新しい構造や力センサや変位センサを一体化した新しい構成の触覚センサの開発にも役立つものと期待される。
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