研究概要 |
不揮発性メモリに関し、MRAMをとりあげ、センス手法の改善と、新しい応用である、デュアルポート化の検討を行った。 MRAMのセンス手法について、Conventional circuitのセンス手法の問題点を明らかにし、Self-reference circuitを提案、さらにSelf-reference circuitの弱点を補うことができるPipe-lined self-reference circuitについて検討を加えた。 Pipe-line self-referenceリードでは、Self-referenceリードの弱点である低速に対してColumngate手法とPGS(Proportional Gain Stage)とVTCを使って改善し、複数サイクルを必要ということにに対しては、RMW(Read Modify Write)とPipe-lined手法を使って改善した。 その結果、Pipe-line手法とRMW手法を追加することによって、4cycleから2cycleに縮めて動作速度を早くした。また、メモリセルに流れる小さい電流に対しても早く反応できるVTCとメモリセル電流を増幅させるColumngate方法やPGSを使うことによってリード動作を早くしたので、1.2Vで75MHzを達成している。完全Self-referenceセンス手法により、メモリセルのMTJ素子の抵抗バラツキに対しても50%程度耐えられるようになった。 デュアルポート化について、同時に書き込み1読み出し動作が可能なデュアルポートMRAM(RWDPMRAM)のアレイ構造を提案し,ライトポート側に読み出し用のリードコラムデコーダーとリードローデコーダーをセットすることで同時読み出し動作を実現できた.また,RWDP MRAMのメモリセルと比べてR2DP MRAMはMTJ素子ごとに2本のリードビット線とリードワード線,2つの選択トランジスタを配置した.これにより,メモリセルレイアウトを行った結果,R2DP MRAMは配線とトランジスタの増加により1セル当たりの面積は3.35μm2になりRWDP MRAMの面積(1.23μm^2)の約2.7倍になった.
|