研究概要 |
システムLSIの原版となるフォトマスクは微細加工技術の発展と共に高額化しており,最先端の90nmプロセスでは,新しいマスクを使ったLSIを製造するために1億円以上のマスク経費が必要となっている. フォトマスクを必要としないパターン形成技術として,電子ビームウエハ直接描画(EB直描)があるが,ウエハの処理速度が低く,従来は極少量生産LSIにしか使用されていなかった. EB直描のウエハ処理速度を改善する方法として,部分一括描画手法が提案されているが,メモリなどの繰り返しパターンの多いLSIでないと高速化が見込めない.本研究では,この部分一括描画手法に最適化したLSI設計手法を考案し,EB直描を使った小〜中規模生産LSIの低コスト化の実現を目指している. 本年度は,Custom Integrated Circuit Conference 2004に参加して,上記テーマに関する学会動向調査を行うと共に,下記4つのテーマに対して研究を行った. (1)高速EB直描可能なスタンダードセルライブラリの開発 (2)EB直描によるコンフィギャラブルロジックの設計 (3)0.35μCMOSルールの大規模スタティックメモリの開発 (4)CPU直結可能なダイナミックメモリの制御回路の開発 (1)に関しては2005年春に国内学会で1件発表,(2)に関しては2005年春に国内・国際学会で各1件の発表を予定している.
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