研究課題
基盤研究(C)
ナビゲーションシステムの発達に伴い方位センサに使われる磁気センサとしてフラックスゲート、MI、ホール素子などがあるが、本研究では、原理が簡単で素子のダウンサイズイングが容易な磁気センサについて研究した。水晶振動子に見られる急峻な共振特性と磁界に敏感な磁性材料の磁歪効果を、ΔE効果を通して組み合わせて、磁界によって共振特性が変化するセンサーを考案した。まず、単振動型水晶振動子(-18.5°X-cut縦振動モード、共振周波数f_0=120KHz、圧電定数0.6×10^<-12>C/N)の両面にFe-Si-B系アモルファス金属薄帯(厚さ0.025mm、飽和磁歪λ_s=2.7×10^<-5>)を接着し、外部磁界中で振動子の共振周波数の変化を調べた結果、地磁気センサーとして十分な感度(30Hz/Oe)を得た。これに基づき、理論計算を行い、磁気-機械結合の度合いを表すΔE効果は1.5%程度であることがわかった。また、LiNb_3を振動子とした場合には、5%であった。この振動子の共振周波数変化を磁場コイルにfeed backすると、70mA/Oeの感度となり、モジュール化が可能であることがわかった。次に、薄帯をFeCoZr系スパッター膜(λs=35×10^<-5>)に代えた場合には、水晶の異方的な熱膨張によって強い磁気異方性が発生し、十分な感度にならないことがわかった。この対策としては、薄膜の低温合成、熱膨張の方向性の無い結晶面の選択などが今後の課題として残った。MEMSでは、Siに微小な片持ち梁を作ると、非常にQ値の高い機械振動が実現でき、水晶振動子の代わりになる。これにFeCoZr系薄膜を形成し、大きさ500×100μm、厚さ10μm程度のセンサーを作成に成功した。このセンサーについては、80Oeの磁場中で共振特性に変化が出ることを確認し、本研究の目的である、超微小磁気センサーの原理的な確認ができた。
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