研究概要 |
前年度に引き続き,線形符号の局所重み分布計算について,効率がよい方法の開発を行った.符号とその拡大符号を比較すると,局所重み分布の計算は拡大符号のほうが比較的容易である.拡大符号の局所重み分布から,元の符号の局所重み分布を求めるのに有用ないくつかの理論的な知見を得た.また,リード・マラー符号に関して,より低次のリード・マラー符号でコセット展開したときの各コセットの局所重み分布への寄与について,いくつかの理論的知見を得た.特に,バイナリーシフトと呼ばれるビット位置置換による不変性を用いることで,局所重み分布計算の計算量を約1/n(nは符号長)に減らせることを見出した.さらに,トレリス構造を活用して,局所重み分布計算の計算量の削減を図り,半分程度に削減することができた.これらを利用することにより,符号長256の3次のリード・マラー符号,及びその符号を拡大符号とする符号長255の巡回リード・マラー符号について,局所重み分布を計算することができた. 最小重みの符号語数を求める計算法についても,バイナリーシフトによる不変性は有効であることを示した.不変性をもつBCH符号やリード・マラー符号について,これに基づき,より高速な計算法を考案した. 誤り特性のよい符号の探索については,昨年度に引き続き,リード・ソロモン符号の2元イメージを対象として探索を続けた.さらに,リード・ソロモン符号以外の非2元符号の2元イメージにも対象として探索を行った.本研究の研究期間を通じた探索における結果をまとめ、いくつかの知見が得られた.
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