研究概要 |
(1)ニューラルネットワークを用いたシステム変化検出機構の解析(長篠) 本研究手法の有効性を一般的に検討する第1段階として,2次線形離散時間システム,非線形離散時間システムの例としての指数的ARモデルとMackey and Glassモデルのパラメータ変化を検出できる条件としてニューラルネットワークの構造(層数,ユニット数等),学習に用いる時系列データの個数,間隔等を明らかにした。 (2)脳波計測による脳システム変化検出機構の開発(木内) (1)の解析結果を応用してネットワークの構造等を工夫し,(3)で開発されたシステムを用いて手術中や視覚刺激等を加えた場合のEEG(脳波)を計測し,患者あるいは被験者の脳の状態変化をネットワークの荷重ベクトルの変化によって推定するシステムを構築した。ある時間間隔のデータごとにBPNNの学習を行い,2つのネットワークの荷重ベクトルの成す角度を指標として脳活動システムの変化を推定した。 (3)脳波モニタリングシステムの開発(芥川) すでにEEG計測により脳機能の状態をモニタするため汎用機器を用いて構成し,リアルタイムで周波数分析などある程度の情報処理が可能なシステムを開発していた。しかし,上記(2)のようなBPNN学習による推定をリアルタイムで行うためには,さらに性能を向上させなければならない。本研究ではこれを実現するため,より高性能のコンピュータを用いるとともに,システムのソフトウェアにおいても高速化を図った。 手術中のEEGモニタリングに広く用いられている国際10-20システムに基づいた16電極配置から得られる電位を入力とし,脳波の経時変化,2次元脳電図(Topography),周波数帯域ごとの電位変化が視覚的に捉えやすい変化率2次元脳電図も実装した。これらは本研究によるシステム変化検出に加えて,従来から行われているモニタリングの手法も利用できるようにすることにより,本システムの汎用性を高めた。
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