研究概要 |
(1)ニューラルネットワークを用いたシステム変化検出機構の解析(長篠) 平成16年度に本研究手法の基本的な有効性を明らかにしたが,今年度はその適用範囲を検討するため,非線形離散時間システムの例であるMackey and Glassモデルの広範なパラメータ範囲においてその変化を検出できることを確認した。ニューラルネットワークの構造(層数,ユニット数等),学習に用いる時系列データの個数,間隔等を変化させて解析した。 (2)脳波計測による脳システム変化検出機構の開発(木内) 平成16年度に開発した,ある時間間隔のデータごとにBPNNの学習を行い,2つのネットワークの荷重ベクトルの成す角度を指標として脳活動システムの変化を推定するシステムに,(1)の解析結果を応用してネットワークの構造等を工夫するなどの改良を加え,(3)で開発されたシステムを用いて,更に種々の手術中や視覚刺激等を加えた場合のEEG(脳波)を計測し,患者あるいは被験者の状況に応じて用いる最適な電極の位置あるいはその組合せを検討した。その結果,患者あるいは被験者の脳の状態変化を推定するシステムの有効性を確認した。 (3)脳波モニタリングシステムの開発(芥川) 平成16年度までに開発,性能改善を行った国際10-20システムに基づいた16電極配置から得られるEEG計測による脳機能モニタリングシステムの能力を更に高度化して,リアルタイムでの周波数分析などの情報処理が十分実用に耐えるシステムにするため,システムのソフトウェアの改良を重ね,動作の高速化を実現し,本システムの汎用性を更に高めた。
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