研究概要 |
1.ニューラルネットワークを用いたシステム変化検出機構の解析 いくつかの線形離散時間システム及び非線形離散時間システムが発生する時系列データを学習させた移動平均型ニューラルネットワークが,それらのシステムの広範なパラメータ範囲においてその変化を検出できることを明らかにした。この変化検出には,ニューラルネットワークの結合荷重空間を用いた。この機構を臨床データに適用した場合において,従来手法の周波数スペクトルに基づいた方法と比較し,本方法が優れていることを確認した。 2.脳波計測による脳活動システム変化検出機構の開発 ある時間間隔の脳波データごとに誤差逆伝搬学習を行った移動平均型ニューラルネットワークの,荷重ベクトルの成す角度を指標として脳活動システムの変化を推定するシステムを開発・改良した。さらにその性能を向上させるため,瞬目などによって混入するアーチファクトを除去することを目的として,独立成分分析を用いる方法及びニューラルネットワークを用いる方法を開発し,その有効性を確認した。 3.脳波モニタリングシステムの開発 国際10-20システムに基づいた16電極配置から得られるEEG計測による脳機能モニタリングシステムの開発,性能改善,高度化を行った。さらにシステムのソフトウェアの改良を重ね,動作の高速化を実現し,移動平均型ニューラルネットワークによる時系列データの学習,システム変化のリアルタイム推定を行うプログラムを組み込んで,本システムの汎用性を高めた。
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