研究課題/領域番号 |
16560360
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
服部 克巳 千葉大学, 海洋バイオシステム研究センター, 助教授 (60244513)
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研究分担者 |
伊勢崎 修弘 千葉大学, 理学部, 教授 (60107943)
早川 正士 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80023688)
長尾 年恭 東海大学, 海洋研究所, 教授 (20183890)
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キーワード | 電車ノイズ / 電気的構造の連続推定 / 2次元FDTD法 / 変電所データ / 相関 / 2002年房総slow slip event / 電磁場波形 / 電流 |
研究概要 |
今年度はこれまでの研究成果をインドで開催された国際電波科学連合第26回総会で公開するとともに、いくつかの国際誌に公表するために科研費の一部を使用した。 主な研究の進捗状況として、(1)地震電磁気データに含まれる電車ノイズを除去する手法を開発、(2)南房総に展開するULF電磁場観測点直下の電気的構造の連続推定(1次元MT解析)、(3)2次元FDTD法によるULF帯電磁波の電磁界解析シミュレーション手法を開発、があげられる。(1)は直流で駆動する電車の電車信号として観測点付近の変電所のき電電流データを用いると、観測点の地電位差データと、適当な時間間隔について線形相関があることがわかり、この相関を用いると電車ノイズの影響を低減できることがわかった。現在投稿準備中である。(2)は南房総で観測された2002年10月の異常変動についてさらに詳細に調査するため、観測点付近の地下構造を2000年から2004年のデータを用いて連続推定を行った。FFTを用いて推定したところ、電車ノイズの影響のため長期にわたる安定な結果をえることはできなかったため、不確定ではあるが、2002年の南房総地域でのslow slip eventが発生する前に変動を示唆する結果も得られた。また、深さ10〜20km程度のところに低比抵抗帯が発見みられた。地震データと比較すると、フィリピン海プレートとユーラシアプレートとの境界である可能性がある。(3)については上記と同様、2002年10月の異常変動の原因を推定するために、FDTD法による電磁界シミュレーションを行った。その結果、観測された電磁場波形を調和的に説明するためには、ソースとして地下1km以内の浅部において電流が流れたことを示唆した。すなわち、地下の水の移動により電磁場が誘導されたという興味深い結果が数値解析的に得られた。
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