研究課題
今年度は研究成果をシンガポールで開催されたアジア大洋州地球科学連合総会で招待講演したことをはじめ、地電位差データからの電車雑音除去について学会誌に公表するために科研費の一部を使用した。主な研究項目として、(1)地震電磁気データに含まれる電車雑音の除去手法の開発・検証、(2)シミュレーションによる電車雑音の伝播特性の検証、(3)Interstation Transfer Function法を用いた地下の電気構造変化の連続推定(Wavelet変換を使用)、(4)ULF/ELF磁場データのゴニオメータ法による方位測定を行った。(1)は直流で駆動する電車の電車信号として観測点付近の変電所電流データを用いると、観測点の地電位差データと、適当な時間間隔について線形相関があり、この相関を用いて電車ノイズの低減できることがわかった。また、特異スペクトル解析によっても同様かそれ以上の結果が得られることがわかった。また(2)では2次元シミュレーションによって、電車ノイズは20〜30kmは地上を伝播することが確かめられた。(3)では2000年伊豆諸島群発地震について持越と清越観測点の4年間のデータを詳細に調査したところ、観測点付近の地下の電気的構造が、観測点近傍の歪データの変位がトレンドから大きくずれる数日前に有意に変化する結果が得られた。(4)では長野松代と中国ウルムチ観測点の0.1〜0.3Hz帯の磁場変動のゴニオメータ法方位測定結果はスマトラ地震活動域での自然放射の存在を示唆するものであった。つまり、スマトラ地震震源から両観測点までの距離(約5〜6000km)を、電磁波が地殻を通って直接伝搬することはできないので、(1)震源域での放射の場合震源域から自由空間へ電磁波が透過し、その後観測点まで空中伝搬する、あるいは、(2)震源上空の電離圏擾乱等により、大気中で自然放射が発生した場合を考える必要がある。
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