研究課題
基盤研究(C)
厚みを変えたシリコンゴムへ音叉型水晶触覚センサの基底部を接触させたときのインピーダンス変化より、シリコンゴムの粘性によるヤング率を評価する手法を確立した。シリコンゴムをフォークト体の粘弾性モデルで扱い、減衰する縦波進行波の解を用いて、減衰係数αと粘性によるヤング率との関係式とシリコンゴムのみ減衰する進行波で扱う3層透過モデル(1層目は水晶で弾性体として扱い、2層目はシリコンゴム、3層目はネオプレンゴムで減衰なしとして解析)で透過率Tと減衰係数αとの関係式を関連づけて、水晶触覚センサによるインピーダンス変化から減衰係数αを決めて粘性によるヤング率を求める式を得た。シリコンゴムの一辺を60mmの正方形で厚みのみ5、10、15、20、25、30mmと変化させて、その中心で触覚センサによるインピーダンス変化を測定した。その結果、シリコンゴムの硬さJIS硬度40、50、60、70の4つとも、5mmから10mmへ厚みが増加するとインピーダンス変化には僅かの増加が見られ、それ以後は厚みを増してもほぼ一定になった。インピーダンス変化が透過率Tに比例するとして計算した結果が実験結果に一致するように減衰係数αを求めてシリコンゴムの粘性によるヤング率を求めた。引張試験機で求めたヤング率を計算に使う必要があるが、シリコンゴムJIS60の粘性によるヤング率1.0×10^5[Pa]とシリコンゴムJIS70の粘性によるヤング率1.6×10^5[Pa]を求めることができた。本研究によって、厚みによる縦波進行波の減衰の影響をインピーダンス変化として測定でき、粘性によるヤング率を測定できた。
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