研究概要 |
本研究は各種物体表面の振動分布を5mm程度の高空間分解能で同時計測し可視化することを目的としている。人工弁の振動分布計測用に特化して平成15年度までに開発したシステムを改良・拡張し、最大64カ所の同時計測を目指すものである。同システムの特徴は被計測面を使用した校正機能にあり、振動面の性状に依存しない高精度計測を実現する。平成16年度は主に下記2項目について研究を推進した。 ・センサユニットの改良 各センサユニットは光ファイババンドルとレンズを使用した非接触型変位センサの構成となっている。その機構部品および光電変換回路系の見直しにより、実効空間分解能5mm,変位分解能10nmを実現した。また、受光回路系の見直しによる超音波領域の振動計測対応も試作を完了した。 ・センサユニット駆動機構の研究開発 上記センサユニットはワーキングディスタンスが狭いため、多チャンネル化に伴い設置位置の微調整機構が重要となってくる。基本的にはセンサユニットそのものを回転しながら調節するねじ送り機構で対応する予定であるが、調整後に確実にロックする機構が必須である。本年度は2,3の機構を試作して評価を行った。最終的な構造は確定していないが十分実現可能との感触は得ている。平成17年度も引き続き評価を進め、早めに決定する予定である。また、センサユニットを回転させるのにともない、電子回路も一部回転可能な構造とする必要がある。このため表面実装部品を使用した小型基板を試作した。 平成17年度には、上述の駆動機構の他、64チャンネル同時計測対応のコントローラ用ソフトウェアを開発するとともに、計測データの3次元表示用ソフトウェアを開発して、システムとして完成させる計画である。
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